来客の訪問、煽る言葉

 足早に駆け抜ける街中は相変わらず賑やかだった。ぶつからないよう、最小限の動作を加えながら早く離れようと終焉は目を細める。
 ――眩しい。この街並みは酷く眩しい。できることならば、一歩でも足を踏み入れたくないものだ。
 しかし、終焉の求めるものは街中によく存在するもの。嫌でも渋々足を踏み入れなければ手に入らないものなのだ。だから男はコートのフードを目深にかぶり、何も視界に入れないよう、何にも認識されないよう、気配を消しながら歩いた。
 ――そこで聞いた話に、男は小さく舌打ちを洩らしたのだ。